top of page

縄跳びができない子に、いきなり縄を持たせるな|連続で跳べるようになる3つの練習法


縄跳びができない子に、縄跳びを練習させる。

一見、当たり前に思えます。

でも、これが間違いです。

縄を回すこともできない。

同じリズムで跳ぶこともできない。

縄が足元へ来るタイミングも分からない。

そんな状態の子に縄を持たせて、

「はい、跳んで」

とやらせる。

これは練習ではありません。

できない動きを丸投げしているだけです。

料理をしたことがない子に、材料だけ渡して、

「見れば分かるでしょ。とりあえず作って」

と言っているのと同じです。

それなのに、子どもが引っかかると、大人は言います。

「もっと高く跳んで」

「縄を速く回して」

「止まらないで続けて」

できない子に、さらに指示を追加する。

その結果、子どもの頭の中はもっと混乱します。

高く跳ぼうとしてリズムが崩れる。

速く回そうとして腕を振り回す。

止まらないように焦って、また縄を踏む。

そして、失敗するたびに思う。

「やっぱり自分にはできない」

はっきり言います。

縄跳びができない子に必要なのは、縄跳びの回数ではありません。

縄跳びを一度バラバラにすることです。

縄跳びは、大きく三つの動きからできています。

一つ目は、一定のリズムでジャンプすること。

二つ目は、縄を正しい位置へ回すこと。

三つ目は、縄の回転とジャンプを合わせること。

この三つができていない状態で、いきなり全部を同時にやらせるから失敗します。

逆に言えば、三つに分けて順番に身につければ、縄跳びは変わります。

この記事では、何回練習しても連続で跳べなかった子が、縄跳びの動きを一つずつつなげていくための練習方法を解説します。

縄跳びができなかった子が変わった瞬間

その子は、一回だけなら跳べることがありました。

縄を前に回す。

足元へ来た縄を、思い切り跳び越える。

しかし、そこで止まります。

着地したあとに、もう一度縄を回そうとする。

次のジャンプが間に合わず、足に引っかかる。

何度やっても同じでした。

一回跳ぶ。

止まる。

縄を回す。

引っかかる。

本人は一生懸命です。

けれど、動きが毎回途切れているため、連続では跳べません。

そこで、いったん縄跳びをやめました。

縄を床に置いて、縄を持たずにその場でジャンプしてもらったのです。

最初は、ジャンプするたびに高さが変わっていました。

一回目は高い。

二回目は低い。

三回目には膝を大きく曲げて止まる。

そこで、できるだけ小さく、同じテンポで跳ぶことだけを練習しました。

次に、ジャンプをせず、縄だけを回しました。

手が横に広がらないようにする。

腕全体ではなく、手首を中心に動かす。

縄が毎回同じ場所へ落ちるようにする。

最後に、縄が床へ当たる音に合わせてジャンプしました。

すると、それまで一回で止まっていた子が、

一回。

二回。

三回。

四回。

そのまま連続で跳びました。

本人は、自分が跳べていることに気づくのが少し遅れました。

そして止まったあと、驚いた顔で言いました。

「今、何回跳べた?」

努力量が急に増えたわけではありません。

ジャンプ力が上がったわけでもありません。

動きを分け、正しい順番でつなぎ直しただけです。

連続で跳べない原因は「二回目の準備」ができていないから

縄跳びで大切なのは、一回目を成功させることではありません。

一回目を跳んでいる間に、二回目の準備を始めることです。

連続で跳べない子は、一つの動作が終わってから次の動作を始めています。

縄を回す。

跳ぶ。

着地する。

次の縄を回す。

これでは、動きの間に止まる時間ができます。

連続で跳べる子は違います。

縄を回しながら跳ぶ。

空中にいる間も縄は動いている。

着地した瞬間には、次のジャンプが始まっている。

つまり、縄跳びは一回ずつ独立した運動ではありません。

同じ動きを途切れずに繰り返す運動です。

そのため、最初から「何回跳べるか」を練習するのではなく、連続して動けるリズムを作ることが必要です。

練習① 縄を使わず一定のリズムでジャンプする

最初の練習では、縄を使いません。

縄跳びの練習なのに縄を持たない。

不思議に感じるかもしれません。

しかし、ジャンプのリズムが安定していない状態で縄を使うと、縄の操作に気を取られ、さらにジャンプが崩れます。

まずはジャンプだけを完成させます。

小さく、同じ高さで跳ぶ

縄跳びでは、高く跳ぶ必要はありません。

必要なのは、縄が足の下を通るだけの高さです。

高く跳びすぎると、空中にいる時間が長くなります。

着地が遅れ、次の縄の回転と合わなくなります。

反対に、低すぎると縄を越えられません。

大切なのは、毎回ほぼ同じ高さで跳ぶことです。

一回目だけ高く跳ぶのではなく、同じ大きさのジャンプを繰り返します。

着地しても止まらない

連続で跳べない子は、着地するたびに身体が沈み込みます。

膝を大きく曲げ、そこからもう一度跳ぼうとするため、動きが止まります。

ジャンプとジャンプの間に長い準備時間ができてしまうのです。

着地したら、その反発を使ってすぐ次のジャンプへ入ります。

「着地してから跳ぶ」のではありません。

「着地が次のジャンプになる」という感覚です。

音やリズムに合わせる

子どもが一定のリズムを作れない場合は、手拍子や声を使います。

「トン、トン、トン、トン」

一定のテンポに合わせて、小さく跳びます。

速くする必要はありません。

まずは、止まらずに同じテンポを繰り返すことが重要です。

この状態で十回ほど安定して跳べれば、ジャンプの土台ができています。

練習② 縄だけを正しい位置へ回す

次は、ジャンプせずに縄だけを回します。

縄跳びができない子の中には、ジャンプではなく縄の軌道が原因になっている子がいます。

縄が毎回違う場所を通っているのに、ジャンプのタイミングだけを直そうとしても跳べません。

まず、縄がいつも同じ場所を通るように整えます。

両手を横へ広げすぎない

縄が短く感じると、子どもは両手を横へ広げることがあります。

しかし、手が広がると、縄が足元まで届きにくくなります。

左右の手の高さが違えば、縄も斜めになります。

手は身体の横に置き、左右の位置をできるだけそろえます。

脇を完全に締める必要はありませんが、大きく広げないことが大切です。

肩ではなく手首を使う

縄跳びが苦手な子は、肩から腕全体を大きく回すことがあります。

腕全体で回すと、一回ごとの動きが大きくなります。

速く回し続けることが難しく、縄の軌道も安定しません。

縄を動かす中心は手首です。

腕は縄の位置を支え、手首の小さな動きで回転を作ります。

最初からきれいな手首の動きを求める必要はありません。

まずは、腕を振り回さず、小さな動きで縄を回すことを覚えます。

縄が床へ当たる位置を確認する

ジャンプをせずに縄を前へ回し、床へ落とします。

毎回、つま先の少し前あたりへ縄が落ちているか確認します。

一回目は右。

二回目は左。

三回目は身体から遠い。

このように落ちる場所が毎回変わる場合、縄の軌道が安定していません。

同じ場所へ縄を落とせるようになると、ジャンプする場所とタイミングも決めやすくなります。

練習③ 縄の音とジャンプを合わせる

ジャンプと縄の回転を別々に練習したら、最後に二つを合わせます。

ここで重要なのは、縄を目で追い続けないことです。

縄の位置を確認しようとして下を見ると、姿勢が崩れます。

さらに、縄が足元へ来てから跳ぼうとすると間に合いません。

そこで使うのが、縄の音です。

「床に当たる音」をタイミングの基準にする

縄を前へ回すと、足元を通る直前に床へ当たります。

この「パチッ」という音が、ジャンプのタイミングを知らせてくれます。

最初は、縄を回して床へ当て、音だけを聞きます。

「パチッ」

この音がどのタイミングで鳴るのかを感じます。

次に、音の直後ではなく、音が鳴る少し前に跳ぶ準備をします。

縄が来てから慌てて反応するのではありません。

自分が縄を回しているリズムから、次の音を予測します。

一回跳んで止まる練習から始める

最初から連続で跳ぼうとすると、動きが崩れます。

まずは、

縄を回す。

一回跳ぶ。

止まる。

この動きを行います。

一回を確実に成功させたら、次は二回。

その次は三回。

少しずつ回数を増やします。

ただし、回数だけを目標にしてはいけません。

一回目と二回目のジャンプの高さが同じか。

着地後に止まっていないか。

縄の軌道が変わっていないか。

動きの質を確認しながら増やします。

「回す」と「跳ぶ」を同じテンポにする

縄を速く回し、ジャンプをゆっくり行えば合いません。

ジャンプが速く、縄が遅くても引っかかります。

二つを別々の速さで動かすのではなく、一つのリズムにします。

「回す、跳ぶ」ではなく、

「トン、トン、トン、トン」

という一定のテンポの中に、縄の回転とジャンプを入れます。

縄の音と着地音が、ほぼ一定の間隔で続けば、リズムが合ってきています。

3つの練習は、この順番で行う

縄跳びを連続で跳べるようにするための順番は、

ジャンプを整える。

縄の軌道を整える。

最後に二つを合わせる。

この流れです。

いきなり全部を同時にやると、どこで失敗しているのか分かりません。

縄なしジャンプが安定していないなら、まずジャンプを直す。

縄の軌道がバラバラなら、縄だけを回す。

別々にはできるのに一緒にできないなら、音とタイミングを合わせる。

原因によって、練習する場所は変わります。

すべての子に同じ回数を跳ばせるのではなく、その子が止まっている段階から始めることが重要です。

よくある失敗① 高く跳びすぎる

引っかかることを怖がる子は、必要以上に高く跳びます。

高く跳べば縄を越えられるように思えますが、連続跳びには向きません。

空中に長くいるため、着地が遅れます。

さらに着地の衝撃も大きくなり、次のジャンプへつなげにくくなります。

縄跳びで必要なのは、大ジャンプではありません。

小さなジャンプを同じテンポで続けることです。

よくある失敗② 膝を大きく曲げる

縄を避けようとして、膝を胸へ引きつけるように跳ぶ子もいます。

一回だけなら縄を越えられるかもしれません。

しかし、一回ごとの動きが大きいため、連続では跳びにくくなります。

ジャンプするたびに形が変わると、着地の位置やタイミングも安定しません。

足はそろえ、身体全体を小さく上下させるように跳びます。

よくある失敗③ できた回数だけを見る

昨日は三回。

今日は五回。

明日は十回。

回数が増えることは、子どもにとって分かりやすい目標です。

しかし、回数だけを見ると、無理な跳び方でも続けようとしてしまいます。

高く跳ぶ。

腕を大きく振る。

姿勢を崩して縄を避ける。

一時的に回数が増えても、安定した動きにはなりません。

見るべきなのは、

同じ高さで跳べているか。

縄が同じ軌道を通っているか。

一定のリズムが続いているか。

です。

正しい動きで三回跳べる子は、やがて十回、二十回と増えていきます。

崩れた動きで十回跳んでも、その先で止まりやすくなります。

子どもに伝える言葉は、一度に一つにする

縄跳びができない子へ、たくさんの指示を同時に出してはいけません。

「手首で回して」

「足をそろえて」

「もっと小さく跳んで」

「前を見て」

「リズムよく」

これだけ言われたら、子どもは何を直せばよいか分かりません。

その日の練習で意識することは、一つに絞ります。

今日は、同じリズムで跳ぶ。

次は、縄を同じ位置へ回す。

その次に、音とジャンプを合わせる。

一つできたら、次へ進む。

この積み重ねが、できない状態を変えていきます。

連続で跳べるようになる子は「成功の形」を覚えている

縄跳びが上達する子は、失敗の回数が少ない子ではありません。

うまくいったときの感覚を覚え、再現できる子です。

今のジャンプは軽かった。

縄の音と着地が合っていた。

腕を大きく動かさなくても回せた。

こうした成功の感覚を言葉にすると、再現性が高まります。

跳べたときは、ただ「すごい」と褒めるだけではなく、

「今は何がやりやすかった?」

「さっきと何が違った?」

と聞いてみてください。

子どもが自分の変化に気づくことで、たまたまの成功が、自分で作れる成功へ変わります。

ただし、同じ引っかかり方でも原因は違う

縄跳びが足へ引っかかるという結果は同じでも、原因は一人ひとり違います。

縄が足元へ届いていない子。

ジャンプが早すぎる子。

縄が来てから反応している子。

着地後に止まっている子。

左右の手の高さが違う子。

そのため、動画や文章を見て同じ練習をしても、原因が合っていなければ変化しません。

一番大切なのは、どの瞬間からズレているかを見つけることです。

縄が足に当たった瞬間だけを見るのではなく、

その前の縄の軌道。

ジャンプの準備。

着地から次の動き。

ここまで確認する必要があります。

最短で連続跳びを身につけたい方へ

ここまで読んで、

「家でも練習しているけれど、何を直せばよいか分からない」

「うちの子は、ジャンプと縄のどちらに原因があるのだろう」

と感じた方へ。

スタジオえるそるでは、子どもの運動を細かく分析し、「できない原因」を具体的に見つける指導を行っています。

縄跳びでも、

縄の回し方。

ジャンプの高さ。

着地のリズム。

跳ぶタイミング。

一人ひとり違うつまずきを確認し、その子に必要な練習から始めます。

まずは運動指導やレッスンの情報を受け取りたい方は、LINEへご登録ください。

実際に動きを見ながら、できるだけ早く原因を直したい方は、個別レッスンへご参加ください。

縄跳びができないのは、努力が足りないからではありません。

まだ、動きを正しい順番でつなげられていないだけです。

ジャンプを整える。

縄を整える。

最後に二つを合わせる。

この順番で練習すれば、「一回で止まる」は「連続で跳べる」に変わっていきます。

 
 
 

コメント


bottom of page