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後転できない子は腕力不足じゃない

10月5日
読了時間: 6分

後ろに回れない“最初の壁”

「前転はできるのに、後転になると全然できない」

「後ろに倒れるところで止まってしまう」

「手で押せないから、腕の力が弱いんでしょうか?」

後転ができない子を見ていると、こうした相談はとても多くあります。

確かに後転では、最後に手でマットを押して身体を起こす動きが必要になります。


でも――

そこまでたどり着いていない子に、いくら「手で押して!」と言っても後転はできません。

なぜなら、その子がつまずいているのは腕ではなく、

もっと前の段階だからです。

後転が苦手な子にまず確認してほしいのは、

「後ろへ体重を移せているか?」

ここです。

後転ができない子によくある3つの動き

後転が苦手な子に、

「じゃあ後ろに回ってみよう」

と言うと、よくこんな動きが出ます。

① お尻だけ後ろに下げる

② 背中が床についたところで止まる

③ 怖くなって横へ逃げる


そして大人から見ると、

「手で押せてないな」と感じます。

だから、

「もっと手で押して!」

「腕に力を入れて!」

と教えたくなる。

でも実は、手を使うところまで身体が進んでいないケースがかなりあります。


後転ができない=腕力不足ではない

後転を簡単に分解すると、

しゃがむ

↓

後ろへ体重を移す

↓

身体を丸めて転がる

↓

手をつく

↓

手で床を押して抜ける


という流れがあります。

つまり、「手で押す」はかなり後半の動作です。

その前の、「後ろへ転がる」ができていなければ、

どれだけ腕に力があっても手で押すところまでいけません。

例えるなら、

ボールを投げる前に、まだボールを持っていないような状態です。

だからまず必要なのは筋力ではありません。

後ろへ身体を預ける感覚です。


後転の“最初の壁”は後ろに倒れること

前転と後転には、大きな違いがあります。

前転は、進む方向を見ることができます。

でも後転は、自分から見えない後ろ側へ身体を動かします。

これは運動が苦手な子にとって、かなり怖い動作です。


大人なら、「後ろにマットがあるから大丈夫」と分かります。

でも子どもの身体は、「見えないところに倒れるのは怖い!」と反応します。

すると無意識に、

・後ろへ行く直前で止まる

・首や背中に力を入れる

・身体を伸ばす

・横へ逃げる

といった動きが出ます。

これは「やる気がない」わけではありません。

身体が、後ろへ倒れないようにブレーキをかけているのです。


家でやるなら「ゆりかごから後ろ転がり」だけ

今回紹介する練習も1つだけです。

いきなり後転はしません。

まず、「後ろへ転がっても大丈夫」という感覚を作ります。


ゆりかごから後ろ転がり

やり方

① マットや布団など安全な場所に座ります。

② 膝を抱えて、身体を小さく丸めます。

③ あごを軽く引きます。

④ その形のまま、ゆっくり後ろへコロンと転がります。

⑤ 背中から肩のあたりまで転がったら、そのまま前へ戻ります。


これだけです。

後転までしなくてOKです。

今回の目的は、「後転を成功させること」ではありません。

後ろへ自分の体重を移しても怖くないという経験を作ることです。


できる子は少しずつ転がる幅を大きくする

最初は、背中が床につくだけでも構いません。

慣れてきたら、少し大きく後ろへ。

さらに慣れてきたら、肩の方までコロン。

というように、少しずつ転がる幅を広げていきます。

ここで絶対にやってほしくないのが、

勢いをつけて無理やり後ろへ倒すこと。

怖がっている子を、「大丈夫だから!」と後ろから押す必要もありません。

本人が、「ここまでは大丈夫」と思える範囲から始めます。


親御さんに見てほしいポイントは「力み」

この遊びをするとき、

ぜひ見てほしいところがあります。

それが、身体がガチガチになっていないか。

例えば、

・肩が上がる

・首に力が入る

・膝を抱えられなくなる

・後ろへ行く瞬間に身体が伸びる


こんな状態なら、まだ後ろへ転がることに不安がある可能性があります。

そんなときは、「もっと勢い!」ではなく、

「もう少し小さくやってみようか」でOKです。

運動が苦手な子ほど、

難易度を上げるより、下げる方が伸びることがあります。


「後ろに転がれた」が最初の成功

後転というと、足が頭の向こうまで行って、

最後まで立てたら成功。

そう考えがちです。

でも最初からそこを目標にする必要はありません。

昨日まで、後ろへ倒れるだけで怖かった子が、

今日は自分からコロンと転がれた。

これも立派な成功です。

そして、「もう一回やってみる」と言えたら、さらに大きな成功です。

技を完成させる前に、挑戦できる身体と気持ちを作る。

僕はここをとても大切にしています。


順番を飛ばすと「後転=怖い」が強くなる

後転ができないからといって、何十回も後転をやらせる。

これはおすすめしません。


後ろへ転がる感覚がない状態で繰り返すと、

毎回、

怖い

↓

止まる

↓

できない

↓

またやらされる


となります。

すると子どもの中で、「後転=嫌なもの」という記憶がどんどん強くなります。

だから、後転そのものを練習する前に、

「後ろへ転がる」だけを切り取る。

できない動きを、できるところまで小さくする。

これが重要です。


教室では後転を5つ以上の動きに分けて見ます

体育の家庭教師では、「後転ができません」と言われても、

すぐに後転を何度もやらせるわけではありません。

まず、どこで止まっているのかを見ます。

例えば、

・しゃがむ姿勢が作れない

・後ろへ体重を移せない

・身体を丸められない

・手を正しい位置につけない

・手でマットを押せない

・最後に足を抜けない


同じ「後転ができない」でも、原因はこれだけ違います。

だから、後ろへ体重を移せない子に、

「もっと手で押して!」と言っても解決しません。

逆に、後ろへ転がれる子なら、

次に「手の位置」を練習すればいい。

今どこで止まっているかによって、次にやる練習は変わります。


体育の家庭教師のご案内

もしお子さんが、

・後転になると怖がる

・後ろへ倒れられない

・途中で横に転がってしまう

・何度練習しても背中で止まる

・「手で押して」と言っても変わらない


そんな状態なら、腕力だけを疑う必要はありません。

もしかすると、

「後ろへ体重を移す」という、もっと前の段階でつまずいている

かもしれません。


体育の家庭教師では、完成した技だけを見ません。

実際の動きを細かく分解して、

「この子はどこまでできていて、どこからできないのか?」を見つけます。

そして、その子が成功できるところまで練習を簡単にします。

できる

↓

少し難しくする

↓

またできる

↓

後転につながる


この順番です。

「何度やってもできない」という子ほど、

練習量を増やす前に、練習する場所そのものを変える必要があるかもしれません。

体育の家庭教師の詳細はこちらからご覧ください。


最後に

後転ができない子を見て、

「腕の力が弱いんだ」と決めつけないでください。

もちろん後転では、最終的に手で床を押す力も必要です。

でも、その前に身体が止まっているなら、

最初に必要なのは腕力ではありません。

後ろへ体重を預けても大丈夫だという感覚です。


まずは、後転を完成させなくていい。

膝を抱えて、

身体を小さくして、

後ろへコロン。

そして前へ戻る。


それだけから始めてみてください。

「怖い」が「大丈夫」に変われば、

後転はそこから始まります。

 
 
 

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